体温計は42度まで Vol.3

え!、占いの原稿を一月10万でお願いしたいですって?。ついに私にも
運が巡ってきたかぁ。毎月10万かぁ、いいなぁ。しかも有名出版社だもんな。
とりあえず、ペンネームは「うたるん」で行くとして・・・。

などという、思考と戯れていた私。
熱は、自己最高記録の39.2度を越えていることは間違いなかったが、
とにかく何もしたくなかった。熱を測るために体温計をぶんぶん回して温度を下げる
という作業自体もおっくうだった。

体温計をまじまじと見た。そこには仁丹平型体温計と書かれていた。
仁丹といえば、あの銀色の小さい玉だよな。あの食べたら口がスッーとするやつだ。
体温計も作ってるんだ。

やっぱり、仁丹だけじゃ経営が成り立たないのかなぁ。でも食品と体温計なんて
なんも関係ないやん、と思って考えてたら。ふっと思いついた。
体温計の水銀も銀色だってこと。きっと仁丹の社長は銀色が異常に好きなんだ。
そうだそうだ、きっとそうなのだ。俺は、何故だかわからないが、ほとんど確信していた。

そう思って、体温計を見ると妙にこいつの凄さってのを感じれるような気がした。
しかし、何故わざわざ平型とことわる必要があるのだ。見ればわかるではないか。
まてよ平型があるってことは丸型やら三角型、星型なんてのがあるのかと、
私の思考はマッハ5でばく進していた。

家族が、バファリンをすすめてくれた。とりあえず熱を1度でも落としといたほうが
良いって言うんだ。だから、薬は嫌だったけど飲むことにした。
その後、凄いことが起こった。

つづく