人は皆「自分だけは死なない」と思っている

先日、「人は皆「自分だけは死なない」と思っている」という本を読みました。
防災心理学の本で山村 武彦さんという方が書かれた本です。

この本によると、人は危機的状況においてなかなか適切な行動をとることができないため災難に遭うことがあり、それは多分に心理的な側面が影響しているということのようです。

興味深い点がいくつかあったので、ここに書き留めておこうと思います。

集団同調性バイアス

韓国の地下鉄で火災事故があったとき、車内に煙が充満してきているのに、乗客たちは普段通り座っている姿を写した写真がありました。結果的に逃げ遅れて大惨事となったとようです。

人は、集団でいると「みんな普通にしてるし、まだ大丈夫なんだろう」という意識が働き、判断力が鈍るようです。一人でいる場合はすぐに避難行動がとれるのに、集団になるとそうならない。
これを集団同調性バイアスと言うらしい。
集団でいるときに「何かおかしい」と感じたら、意識的に自分の感覚を研ぎ澄ます必要がありそうです。

何を信じるか

また、人は専門家の意見というものを信じやすい傾向があるということ。
原発事故でも起こったことですね。専門家が「安全だ」と言えば、それを信じてしまいやすい。

自分に都合のいい意見を信じてしまう、というのもありました。
政府や学者の「安全だ」もそうですし、株を買っているときにその銘柄が下がるという話より上がるという話の方を信じやすいというのもあります。

そして、マニュアルを鵜呑みにしない。
今回の震災であった話ですが。
ある駅を発車した上り列車と下り列車。どちらも順調に走行しているときに、地震が発生。一方の列車ではマニュアルどおり乗客を車両から降ろし乗務員が決められた避難場所に誘導しました。もう一方の列車でも乗務員がマニュアルどおり避難させようとしましたが、このあたりの地形に詳しい乗客の一人が「津波の恐れがあるので、ここは高台だから動かない方がいい。」と言って避難するのを止めさせました。
その結果、マニュアルに従って避難した方は津波の被害に遭い、とどまった方は被害を免れたということがあったそうです。

パニックは簡単に起こるのか

あと、パニックはそう簡単には起こらない、という話もありました。
ある自治体で緊急避難速報を誤って防災放送で流してしまったことがあったのですが、その時実際に避難した人はごく少数だったという事例が書いてありました。

なんでそんなことになったのか。
これはパニックを恐れるあまりにあることをしてしまったからなんです。
パニックを恐れるあまり本当のことを言わず、安全だを繰り返してしまうケースも同じです。

あるホテルに2つの団体客が宿泊し、その時不幸にも火災が発生します。人数も年齢層もほぼ同じ2つの団体客なのですが、一方は全員が無事に避難し、もう一方は全員火災に遭ってしまいます。火災に遭った方は部屋でお茶を飲んでいる状態で遺体が発見されるというケースもあったようです。
この2つの団体の生死を分けた違いはなんだったのか。

異常事態の発生の備えとして、読んでおくべき本だと感じました。

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